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俺、アル。 フレンチブルドッグの♂。2歳と8ヶ月と少し。 大人しくて害のない「心は乙女」な父ちゃんと、常に人を疑う癖のある「腹黒サンボ」の母ちゃんと暮らしてる。 早朝(A.M.3:30) 俺は何でか知らないけど今年になってからリビングで一人で寝かされてるんだよね。何でだ?…ま、いっか。 俺んちの朝はとにかく早い。 父ちゃんの仕事が早いからなんだけどさ。特に休みの日の前日はいつもこの時間にバタバタやってるよ。 母ちゃん、今朝は起きられて弁当作ってる。でも、半目で卵焼き焼いててこえーよ。 父ちゃん、いつもの朝のセリフ「仕事行きたくねぇ〜」 俺、昔は一緒に起きて玄関まで見送りとかカワイイ事してたけどね。今は寝てるよ。付き合ってられないし。まぁ、心の中では「父ちゃん、いってらっしゃい〜」ってしてるけどね。 朝(P.M.6:00) ウーン、そろそろ俺も起きるかぁ〜母ちゃんメシ〜。 ゲッ!母ちゃん朝からパソコンかよ!? 「あっ、アルおはよ〜なぁに?抱っこ?」 ちちちげぇけど〜別に母ちゃんが俺を抱っこしたいって言うんなら抱かれてやってもいいけどさぁ〜どれヨッコラセ。あっ、母ちゃん。膝の上の俺の事気にしないでパソコンやっててよ。 (ほんの数分後) 「アル〜やっぱダメだ。アンタ重いしデカイし」 昼(P.M.12:00) ふあぁ〜あぁ。今日は母ちゃんずっと家にいるんだな。何か珍しく掃除とかしてるよ。普段やり慣れない事やると何か起きたりするんだよね。…ぶるるっ。今悪寒したぞ。 二時過ぎにドッグラン行くって、ロビンとメールしてるよ。 じゃあ俺もそれに備えて伸びしとくか。 (P.M.2:30) ロビン家玄関。ピンポーン。ドア開く。 C「(大興奮)ちょっとっ!またアンタ達なのっ!まぁいいわ、早く行くわよっ!」 J「(嬉しそうに)わぁい、アルママとアル兄ちゃんだぁ〜おはよ〜」 俺「…(静かに喜ぶ)」 男だからね。 (P.M.2:50) ドッグラン到着。 (P.M.3:40) 今日も俺の母ちゃんの「じゃあ、そろそろボール遊びするかぁ〜」の声でスタートだぜ。おりゃ〜そりゃ〜やっぱボール遊びサイコー! (ボール遊びより数十分後) 俺の母ちゃんが離れた所にいたロビンを呼んでるよ。 おんどりゃ〜うりゃ〜ん?相変わらずいつもと変わらず楽しそうに遊ぶ俺を見て母ちゃんとロビンが騒いでるよ。 えっ、帰る?何でだよ!俺まだまだいけるし! 「アル、抱っこだ!」今朝あんなに「重いからヤダ」って言ってた母ちゃんが俺を抱っこして車まで運んでるよ。何でだ? 車の中で座ったら、ん?何か左の足が痛えぞ??? 母ちゃん必死で電話かけてるし。まぁいいや、寝るとすっか。ZZZ…。 (P.M.4:30) ふぁあ〜よく寝たよって…ここ俺の好きなイオンじゃん! やったね!母ちゃん早く行こうぜ〜☆ 「アル痛く無いの?大丈夫なの?」えっー?何がさぁ〜早く早く! なぜだか、自分の足で軽快に歩く俺を見て心配顔の母ちゃん。 着いたのは…あっ、ここよく俺が一時間とかで預けられる病院じゃん! ここの先生俺の事「ホントにアルくんはお利口なフレンチブルですよねぇ〜」っていつも褒めてくれるから好きさ。 まぁ、俺、留守番なんて屁でもないからね。男だし。 えっ?今日は診察すんの? 何でさぁ〜???俺、腹こわしてないし皮膚もツヤツヤだぜ。 チョット気持ち前足が変だけどさ。 …ん?いでっ、いででっ、うぉー!!!なんだよこの初めての痛みはー! でででででも俺騒がないよ、おおおおとこだからさ…(心の中で)いででででぇー!!! (その数分後) おおおお終わったみたいだな。うっすら涙目の俺に先生が言ったよ。 「いやぁ〜アルくんはホント我慢強いですね〜コレ相当痛いはずなんですよ〜」 まままままぁね、おおおお俺男だし。 ちょっと変な声出ちゃったけどさ。 母ちゃんも「スゴい頑張ったぁ〜アル〜男前だったよ〜かっこよかったよ〜」ってベタ褒めだし。 ふっ、まままままぁね。 何でも俺の左前足の親指の爪、根元からバキンと折れてたんだって。 どおりでシフォンの毛に赤いのがチラホラ付いてたはずだよ。 アレ、俺の血だったわけね。 なんかさ、俺の折れた爪、外側だけじゃなくいて血管が通ってる内側も折れてたから、先生が折れたとこ全部切除して血管の切り口を焼いて固めてくれたんだって。 えっ?麻酔?いらねぇよ〜そんなもん。俺、男だし。 まぁ爪はちゃんと生えてくるっていうからさぁ〜俺のかっこよさが落ちるってことも無いしね。 俺、なんてったって「フレブル界きってのイケメン」だからね。 えっ?先生まだ何かやんの? あっ、母ちゃん「ついでに他の指の爪切りもお願いします〜」とかいって笑ってるし! えっ、何だよこれ???「ほうたい」?聞いた事ねぇよ。何だよこのグルグル巻きは〜? はっ、最後に注射?どーぞどーぞ。俺注射なんか屁でも無いから。プスプスいってよ先生。 (動物病院を出る) それにしても、この「ほうたい」ってやつは何か変な感じだぜ…あっ、母ちゃん!なんで抱っこしてた俺を下ろすんだよ! 「だって、先生が普通に歩いていいって言ってたでしょ。ご褒美買ってあげるからペットショップまで自分で歩きなさい〜アンタ重いんだし」 えええぇ〜!!!やだよっ!俺歩けないし! ほらっ、見ろよ母ちゃん!俺足痛いから下に着けないよ!ほらっ、俺すげぇビッコひいてるよ!見て見て! 「まったぁ〜ビッコなんか引いちゃって〜歩ける歩ける。だってアルくん痛いのって地面から浮き上がってる爪なんだから。肉球は何ともないっしょ?」 ヤダー!!!歩けないー!!!抱っこー!!! …粘り勝った俺は抱っこされたままペットショップに行ったね。 そしたらさぁ、老若男女皆々様に「カワイイ〜あれっ、どうしたの?包帯して〜」とか「エラいね〜頑張ったんだねぇ〜」とか言われまくりだよ。 「ほうたい」っていいね。使えんな、コレ。 家に帰ったら、心配してたロビンがご褒美持って出迎えてくれてるよ。 おーい!ロビーン!(全然普通に走るアル) 「ほらっ!アル、自分で歩いてんじゃん!ビッコ引いてないし!」って母ちゃんの声。 やべっ。えーっと、ヒョコタンヒョコタンっと。 母ちゃん〜ロビン〜よく見てよぅ。俺痛くて歩けないよぅ。 その後、母ちゃんは俺に「クララ番長」っていう新しい呼び名をつけて「アルが歩いたっ!」って笑ってたよ。何でだ? 〜「天国編」に続く〜
by ar20040711
| 2007-03-21 11:19
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